物件を見始める前に知っておきたい! リノベーション物件探しの5つの心構え

いざ、物件を見始めれば「この家、いいなぁ」と思えるものに遅かれ早かれ出会うものです。かといって、すぐに購入と踏み切れるかというと難しい場合があります。「他にも購入希望者があるので、気に入ったのであれば決断しないと他で決まってしまいますよ」というは、不動産会社のお決まりの営業トークですが、特に条件のよい物件は、スピード勝負で購入が決まってしまうのも事実です。しかし、急いては正しい判断が難しくなり、別の失敗を招く場合もあります。マンションも、戸建ても、中古住宅のリノベーションで失敗しないために、物件をさがしはじめる前に知っておきたい心構えを5つご紹介します。

【1】 物件を見る目を鍛える

住宅購入経験談で「もっといろいろな物件を見て選べばよかった」という声がよく聞かれます。これは「たまたま近くのモデルルームを見て、気に入って決めた」「一目惚れだった」などという人で、購入にあたって3~4件程度しか内見していないことが多い様です。住宅購入では「やっぱりこっちの地域がよかった」「もう少し広い家にすればよかった」「マンションより戸建にすればよかった」などと住み始めてから気が付いても、そう簡単に買換えという訳にもいかないものです。一口に家といっても、立地はもちろんのこと、建物の構造や広さ、築年数に間取り、設備や内装のグレード、メンテナンス状況まで、二つとして同じものはありませんから、より沢山の物件をみて、物件を見る目を鍛えておくことが、後悔のない住宅購入に繋がります。インターネットで写真をはじめ、沢山の情報が見られる時代ですが、実際に足を運んでわかることも沢山あります。販売図面から読み取れる情報と現地の印象が違う場合もありますし、要望の優先順位が磨かれることもあります。条件の異なる複数の物件を見ることで、これまで考えていなかった選択肢が見えてくることもあります。住宅購入を考えたら、実際にさまざまな物件に足を運び、家を見る目を鍛えましょう。少なくとも10件程度は内見することがおすすめです。

 

【2】 要望の優先順位を明確に

「○○駅から徒歩10分以内」「広さは80㎡以上」「広い公園の近くがいい」「眺めのいいお部屋がいい」、「広い庭で家庭菜園がしたい」購入物件の条件を上げ始めればとどまることはありません。しかし、全てを満たす物件など見つけることが困難であることはいうまでもありません。完璧な物件などなく、何かが良ければ、何かが足りない、だからこそ迷うわけなのですが、購入するには、よりよい条件の物件を探す一方で、複数の条件を取捨選択し、優先順位を持つことが重要になります。どれも大事なものですが、より重要となる条件は人によって異なり、検討を重ねる中で変化する場合もあります。家族の中でも、大事なポイントが分かれる場合も珍しいことではありません。2つの物件で迷ったときに優先順位があるかないかで、判断が分かれます。物件を見ながら、どちらの条件をより重要と考えるのか意識し、何度も話し合っておくことが決断のスピードにつながり、より要望にあった物件の購入につながります。

 

【3】 不動産会社はしっかり選ぶ

一口に不動産会社と言っても、全国主要都市に必ずあるような大手不動産会社から、地域で何十年も営業している地元不動産会社、家族経営の小規模な不動産会社、賃貸が中心の会社に、形態は実に幅広く存在します。マンションでも戸建でも、中古住宅のリノベーションを考えているならば、購入からリノベ―ションまで一括でお任せできる会社も見逃せません。

不動産会社も形態によって、それぞれに特徴があり、得意分野があります。地元の不動産会社は地域の情報に強い、大手不動産会社は全国展開なので幅広いエリアに対応できる、中古リノベーション専門にした不動産会社など。一般的に不動産会社の担当者は、不動産の専門家ではありますが、建物の専門家ではありません。中古住宅の選定には、建物の構造や劣化状況についての知識も重要になることから、リノベーション会社と上手に連携の取れる会社であることが望ましいものです。どこの不動産会社に依頼しても、原則として仲介手数料が発生しますので、不動産会社の特徴や得意分野をよく比較検討し、依頼先を選ぶことが大切です。

 

【4】 リノベーションの予については契約前に相談を

中古住宅の購入で特に気を付けておきたいのは、リノベーション予算の見積もりです。契約前の内見では500万円程度の予算で可能な範囲のリノベーションをしようと考えていた場合でも、実際に要望を盛り込み打ち合わせを重ねる内に予算内に収まらないどころか倍額になってしまうケースも珍しくありません。業者が現地調査を行い、物件の劣化状況やリノベーションの要望から出す見積と、当初建て主が考えている予算の金額とは、差があることが多いものです。物件の売買契約をしてから、リノベーション費用が予算を超えてしまうことがわかっても、手の打ちようがありません。リノベーション費用は、売買契約の前にあらかじめ業者に相談しておき予算を組むのが理想です。

物件の内見をして気に入ったら、売買契約までは1週間前後となることが多いものです。物件選びと同時にリノベーションの依頼先候補となる会社を選び、事前相談をして予算の目安をつかんでおきましょう。

 

【5】 事前知識で差が付く、物件調査

中古住宅の購入では、これまでの建物の修繕状況の把握が欠かせません。これまでの修繕履歴はもちろんのこと、マンションであれば長期修繕計画や修繕積立の積立状況もチェックしておきたいところです。このほかにも、どのような立地であるのか、地盤の強さやハザードマップなどの情報も必ず調べておきたいポイントですが、契約時の重要事項説明には含まれていません。そのため、不動産会社は購入者からの依頼なしには調べてくれないことが一般的です。病院やコンビニ・スーパーなどの店舗、学校、福祉施設など、家の周りにどのようなものがあるのか、駅までの道中は夜も明るい道であるか、ゴミ捨て場はどこかなども、暮らしていく上で大切なことです。内見の段階から、意識して確認しておきましょう。