東京23区で子育てしやすいのはどこ?行政の取り組みなどをご紹介

東京23区で子育てしやすいのはどこ?行政の取り組みなどをご紹介

Photo by Ivan Davydenko on Unsplash

子育ては、とても苦労が多いもの。それが第一子であれば知らないことばかりです。近所に実家や親戚がいれば頼ることもできるかもしれません。そんな恵まれた環境であっても、誰かの助けが欲しいのが子育てです。

総務省の2017年就業構造基本調査によれば、東京都の約半数の世帯が夫婦共働きであり、その6割以上が子育てしながら共働きしているという報告があります。

そこで東京23区では、幼児保育施設や教育機関の充実による待機児童問題の解消、各種補助や助成などの支援制度を設けて、子育てと仕事の両立ができる環境づくりを行っています。

23区の中から特色ある子育て支援を行う自治体や緑地化や公園の整備など住民に評価されている自治体をご紹介します。

子育てしやすい環境とは?

いったいどんな環境ならば子育てがしやすいのでしょうか?自治体が取り組んでいるものについてご紹介します。

保育の充実

待機児童が社会問題になるほど保育環境の充実は重要なテーマであり、各自治体は積極的に取り組みを行っています。

2018年度、最も待機児童が多かったのは世田谷区(861人)ですが、待機率は最も高い区の半分以下の5%です。世田谷区の待機児童数と待機率は年々減少傾向にあり、世田谷区は継続して保育環境の整備を行っていると評価できます。

また認可保育園に入れず認証保育施設や認可外保育施設を利用せざるを得ない場合、13区では施設料を補助する制度を設けています。

教育の充実

3歳からの幼児を教育する幼稚園は、“心身発達の助長”を目的とした教育機関です。東京には公立(区立・国立)と私立があり、保育施設同様に助成制度を設けています。

教育機関である幼稚園は国が助成を行っています。各自治体は独自にそれを補う助成を行っています。例えば、江戸川区では私立幼稚園の保育料補助を中央区の10倍以上も多く助成しています。

医療の充実

東京都には “マル乳”と呼ばれる「乳幼児医療費助成制度」と“マル子”と呼ばれる「義務教育就学児医療費の助成」があります。どちらも所得制限がなく一律に医療費が助成されます。

自治体によっては、義務教育を超えた高校3年生(相当の年齢)まで医療費を助成する制度や入院時の食事費用まで助成する制度を設けています。

東京23区は住みやすい?

物価が高いにもかかわらず、通勤・通学・お買い物など利便性が高い東京23区への人口の流入は止まりそうにありません。そんな東京は子育て世代にとって住みやすいのでしょうか?

住みやすさとは

不動産関連の調査である「住みたい街ランキング」と「住みやすい街ランキング」をご存知かと思います。住みたい街ランキングの常連である品川・恵比寿・池袋といった街は、住みやすい街ランキングの上位には入っていません。ところが面白いことに、赤羽・阿佐ヶ谷・千住といった住みやすい街ランキングの常連がここ数年で住みたい街ランキングに入ってきました。

実際に住んでいる人たちの声が広まり、住みたい街として評価されています。通勤通学の利便性や充実した緑地や公共施設などが評価されるのと同じように、子育てのしやすさを住みたい街の魅力としている人も少なくありません。

23区に住む魅力

ファッション・グルメといった先進的な文化と江戸から脈々と続く古き良き文化の融合で形成された東京ブランド。それに魅了される旅行客は年々増え続けており、そんな魅力的な東京に住みたいと思うのも当然かもしれません。

しかし、住む人にとって重要なことは不便や不自由がないことです。車がなくても移動手段が豊富にある、病気にかかっても診てもらえる病院が近くにあるなど、困らないことも住む街の魅力のひとつと言えるでしょう。

子育て世代に評価されている5つの自治体

東京23区ではそれぞれ独自に子育て支援を実施しています。施設の充実や経済面の助成、緑地化の推進や公園の整備など、子育て環境に取り組む5つの自治体をご紹介します。

子育て世代に人気の江戸川区

公園や緑地が多く、子供をのびのび育てたい人たちに人気が高い江戸川区は、保育・教育のサポートも充実しています。そのため、江戸川区内の出生率は高く、子供の人口は増え続けています。

江戸川区では平成29年度には保育施設を1箇所新設し、小規模保育事業所を5箇所増やしました。また私立幼稚園の入学金や毎月の授業料の補助も行っています。子育てに積極的な江戸川区ですが、高層マンションが多く人気の葛西エリアは今後も待機児童問題に悩まされるかもしれません。

住民満足度が高い練馬区

子育て世代の満足度が高いのが練馬区です。待機児童・保育施設・定員数・小児科・公園などが他の区と比べて住民満足度が高い傾向です。待機児童・施設数・定員数は飛び抜けた数値ではありませんが、年々改善されていることを評価されています。

光が丘公園や石神井公園など子供の遊び場や緑地が高く評価されています。また小児科が多いのが練馬区の特徴で、緊急外来や夜間の対応も子育て世代には心強いでしょう。

緑地化を推進する世田谷区

区内の緑地化を積極的に取り組んでいるのが世田谷区です。2033年までに区内の1/3を緑地化する計画があり、多くの緑地や公園が点在しています。

80万を超える住民がいる世田谷区は、23区の中で待機児童数が最も多いという事実があります。しかしながら保育定員数の拡大と認可保育園の整備に力を注いでおり、毎年改善されている待機児童率を区民は評価しています。

充実サポートの杉並区

駅前の再開発と閑静な住宅街で人気が高い杉並区は、図書館や児童館などの教育施設が充実しています。

出生から育児まで支援サービスに利用できる「子育て応援券」という独自サービスがあり、陣痛時のタクシー利用や子育て相談・家事援助など幅広く子育て家族をサポートしています。

子育てに適した保育・教育環境が充実しており、教育レベルに多くの区民が満足しています。

穴場?狙い目の大田区

東京湾から多摩川沿いに広がる人口70万の大田区は、待機児童問題も改善されつつあり、毎年減少傾向にあります。

認可保育園以外の施設にも積極的に情報を提供してくれる“大田区保育相談アドバイザー”の存在は嬉しいところです。また、ひとり親家族への支援も積極的に取り組んでいます。

まとめ

子育てしやすい東京23区の5つの現状についてご紹介しました。待機児童数や待機児童率は東京都として改善に取り組んでおり年々改善されています。今より子育てのしやすい環境が整ってくることでしょう。

また子育てする家族にとっては緑の多い公園や医療機関の充実も恵まれた環境として住みやすさの重要なポイントとなっているようです。